今月の精進料理 「たけのこ」(筍) 旬を待ちかねて食べる日本人の好物の一つです。 四月~五月が最盛期で、掘りたて一番おいしく、えぐみもありません。 「たけのこ」は、旬を待ちかねて食べる日本人の好物の一つですが、掘って1~2日以上たつと急に味が落ちます。えぐみを抜いたり、繊維を柔らかくするためには、皮ごと洗い、縦に包丁で切れ目を入れ、そのまま糠と赤唐辛子を入れて1時間くらい茹で、茹ったら、茹で汁につけたまま冷まします。使うまで水につけておき、水を時々替えてください。「たけのこの」の含有成分はカリウムが特に多く、リン、カルシウム、たんぱく質、ビタミンC等です。薬用としては、「たけのこ」よりも「たけの油」がよく効きます。風邪をこじらせて悩まされる時や、ぜんそくの咳に、さかずき一杯飲みますと咳が止まります。
今月の精進料理
「丸焼きたけのこ 」 【材料】 たけのこ、醤油または木の芽味噌 掘りたてのたけのこを皮ごと洗い、底の方から箸でつついてふしを抜きます。中に醤油、もしくは木の芽味噌をつめ、蓋をします。そのまま、焚き火の中、オーブンに15分くらい入れて焼き、柔らかくなったら、皮を開き薄く切って木の芽を添えて供します。ほどよくアクが抜けて、たけのこの 風味が十二分に楽しめます。 「たけのこと生椎茸の油煮」................ 【材料】 たけのこ(根の方を利用します)、油、砂糖、醤油、みりん、生椎茸 たけのこ、生椎茸とも千切りにして、油で炒め、みりん、さとう、醤油で調味します。 「たけのこと菜の花の辛子酢味噌」 【材料】 たけのこ、菜の花、胡麻、みりん、白味噌、酢、砂糖 茹でたたけのこは薄くいちょう切りにし、菜の花も色よく茹で準備します。胡麻は油のにじむまでよくすり、みりん、白味噌、酢、砂糖を加えて調味し、よくすり合わせ、たけのこと菜の花をあえて供します。 「たけのことザーサイの油煮」................ 【材料】 たけのこ、ザーサイ、みりん、砂糖、醤油、油 茹でたたけのこは薄く切り、ザーサイを細かくせん切り、これを油で炒め、みりん、砂糖、醤油で調味します。ザーサイの塩加減も調味の計算に入れてください。
「若竹汁 」............................... 【材料】 たけのこ(姫皮を使います)、わかめ、木の芽 たけのこは姫皮(筍の先の部分)を利用すると良いでしょう。姫皮は外側に近い堅めの部分の除き、縦に食べやすい大きさに切ります。わかめと姫皮をお碗に入れ、熱い吸い汁を注ぎ、木の芽を扱い口にのせて供します。 「たけのこの木の芽あえ」 【材料】 たけのこ(中程を使います)、白味噌、酢、みりん、砂糖、胡麻、青菜、木の芽 たけのこは茹でたものを紅葉切り、もしくは小さいさいの目に切り薄味で軽く煮ておきます。胡麻はよくすっておきます。まず、木の芽をすり鉢でよくすり、青菜の青寄せを加え、すり胡麻、白味噌、みりん、砂糖、酢を加えて調味し、よくすり合わせて木の芽味噌を作ります。たけのこの水気を取り、木の芽味噌であえます。 -金丸宗哲[著] 「和尚の健康精進料理」・平河出版社-