春一番にたらの木の梢に出る若芽で、たらんぼともよばれています。山菜の王者といわれ、芳香とぬめりのある風味が好まれます。つみたてを天ぷらなどでいただくとこの上ない珍味です。
たらの木は、ウコギ科に属する落葉灌木で高さ3m〜4m位で直立し、幹には鋭い針があるのですぐわかります。互生した大形の葉は、梢の頭に傘のように開いてついています。低い山地などに多く見られる灌木で、最近は冬の間に幹を1m位に切り、水に浸して芽を吹かせて栽培したものが店先に出廻っております。春一番にたらの木の梢に出る若芽を「たらの芽」または「たらんぼ」とよんでいます。山菜の王者ともいわれ、揚げものや、したしもの、和えものとして芳香を楽しみ、また、ぬめりのある風味が好まれます。
山菜類は取立てが一番美味しく、ことに春先のぽかぽかした日に山野に出かけ、小鳥の声でも聞きながら、つみたてを天ぷらなどにしていただくと、これ以上の珍味はない感になります。でも山菜類は精の強いもの、アクの強いものばかりですから食べすぎには注意する事です。私もある時、次のような経験をしたことがあります。
景色もよく、陽気もよく、また回りでは鶯や色々な小鳥のさえずりの中、友もよしで、採みたてのたらの芽の揚げものをさかなに酒も進み、楽しいひとときを過ごしていたのですが、意識もうろうと我意を失った事がありました。うまい、うまいと食べ過ぎますと、春先の芽吹きは精が強いものばかりですから、やはり用心すべきです。
たらの木は胃腸病、神経痛、高血圧、糖尿病、利尿薬などの隠れた特効薬として喜ばれております。特に糖尿病に悩んでいる人には最適だといわれます。
一般にはたらの木の根皮を乾燥して使用しておりますが、生の方がより効果があるといわれています。たらの木の根の芯を去り、皮のところをよく洗って泥を落とし、日に干して乾燥させ細かく刻みます。これをひとつかみ土瓶に入れて、水から煎じて7〜8分目に煮詰まった汁を、お茶がわりに常用します。
なお、乾燥させるにも、採取の時期には春新芽の出る前が最適だといわれます。
糖尿などに使用する折は、特に秋口のものは血糖を下げる力が弱いといわれます。含有成分としては、ビタミンA、カリウムが特に多く、ビタミンC、ナイアシン、B1、B2、等多くの栄養素の含まれた山菜です。